山田重夫さん

ヤマダ工務店
「何歳から大工さんのお仕事を?」の質問に、「生まれたときから・・・。ボクは釘袋をぶら提げて生まれてきた。」と、茶目っ気たっぷりに答える。ふっくらした親しみやすい風貌と、温和で控えめな人柄、そして時折見せるユーモアで、現場の雰囲気を程よく和ませ、棟梁としての人望も厚い。
 
宮崎県出身の山田さんは、 16歳から大工一筋。田舎では、職人の種類が少ないので大工さんが何でもやる。一番印象に残っている仕事は、 20年前、宮崎に建てた「お城のような家」で、床柱は 5人がかりでも持ち上げらなかったとか。
 
お客様から「仕事が早くて丁寧」「現場がきれい」と評判の山田さんが心がけているのは、お客様がどういう人で、本当に何を望んでいるのかを把握して仕事をすること。そのために、お客様をよく観察する。これまで、お客様とのトラブルは一度も無い。「ひとつひとつの仕事を納めていけば、仕事は後からついてくるもの。 10年以上お付き合いしているお客さんもいる。」と語る。
 
「太豊建設の社長の良いところは、お客さんをごまかそうとしないで、きちんと仕事をするところ。下職を大事にする会社は長続きする。苦しい時は下職が支えてくれるから。」とうれしい言葉をいただいた。
 
昔は、平面図だけで家を建てていたということだが、お客様のイメージ通りの家を建てるのは難しいのでは?と尋ねると、お客様の考えを 100%分かった上で、それ以上のものを造り、感動を与えるのが大工の腕の見せどころであり、醍醐味なのだと熱く語る。
 
「趣味は仕事。目立ちすぎず地道に仕事を続けていきたい。現場で死ねれば本望。」と、明るく言い切る山田さんは、やはり生まれながらの大工さんであり、正真正銘の匠である。