伊藤雅さん

鉄骨工事職人
伊藤さんが鉄骨のお仕事をされたきっかけからお聞かせ下さい。
父が鉄骨屋を営んでいましたので、高校生のころからアルバイトをしていました。
口数の少ない父でしたが、頼もしい仕事ぶりにあこがれていました。

そのお父様からの教えは、どのようなものでしたか?
まずは、「仕事は見て覚えろ」です。失敗覚悟でやらせてから、その後で細かい収まりなどを徹底的にチェックして指摘されます。はじめから言葉で説明されるよりも、その方が結果的に成長も早かったと思います。そんな父に 100%頼っていましたので、9年前に急死して、段取りから全て自分がやらなければならなくなったときは、私なりに大変苦労しました。

鉄を扱うことは、プロでなければできない特殊な技術だと思うのですが、鉄の魅力ってどんな所ですか?
鉄骨の良さは、強度と耐久性です。ただし強度を重視するあまり、見た目が損なわれる場合があります。かと言って、デザインを気にしすぎると、本来の目的である安心安全な補強が甘くなる。何があってもビクともさせないぞという気持ちはありますが、見栄えとの折り合いを付けて工夫するところが腕の見せ所です。お客様にもそれが伝わって喜んでいただき、またお声を掛けてくだされば、こんなに嬉しいことはありませんね。

家づくりは、何十人という業種の職人さんたちで作り上げる共同作業ですが、日ごろ伊藤さんが現場で気をつけている点があれば教えてください。
はい。現場に入ったら、いろんな職人さんが仕事をしているわけで、自分だけ良ければいいという訳にはいきません。私よりも年長の親方も多いので、なるべくこちらから声を掛けて、現場がぎくしゃくしないように心掛けています。タイホウさんの現場は、その点皆さん気を遣ってくれますので、とてもやりやすいですね。